復刊ドットコム相談室
あの本のタイトルが知りたい
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2002/08/02(返答 2件)
受付中
コスモス?
はじめまして。
今までで感動した本は何?と知人に尋ねたところ
「コスモス・・・っていうような小説」
という返事が返ってきました。
内容は?と聞いても「覚えていないけれども、それを読んだ時に涙を流した覚えがある」というのです。
普段、涙には縁遠い人だったので涙もろい私なら号泣物だろうと思います。
是非、読んでみたいのですが、作者もジャンルもわかりません。
どなたかお知恵をおかしください。
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回答
No.1タイトルにコスモスは付かないですが
タイトルに「コスモス」の付く作品は数多く存在するので、なんとも言えないのですが、
なんとなく、心に引っかかる作品があるので書き込んでみます。
タイトルは「一つの花」作者は今西祐介です。タイトルにコスモスが付いてないんですが・・・。
訊ねられてぱっとコスモスという言葉が浮かんだということは、それが作品の「号泣」に
深く結びつくキーワードだったのかな?と思ったのです。
で、コスモスの出てくる号泣するお話で、おそらくストーリーのあらすじすら覚えていないほど
昔に読んだだろう作品(もしかしたら、子供時代に読んだかもしれませんね)・・・として、上記の
本ではないかと思ったのです。
では、確かめる手だてになるかも知れませんので、私の憶えている限りであらすじを。
「一つだけちょうだい。」これが、ゆみ子のはっきり覚えた、最初の言葉でした。
戦争がはげしかったころ、食べる物がなく、「もっともっと。」とせがむゆみ子に、「一つだけ ─」が、
お母さんの口ぐせでした。ゆみ子は、知らず知らずのうちにこの口ぐせを覚えてしまったのです。
そんなゆみ子の将来を、お父さんは心配します。とうとう体のあまりじょうぶでないお父さんも、
戦争へ行く日がきました。駅に行く途中、白いお米でつくったおにぎりを、ゆみ子は全部食べて
しまいました。お母さんは、お父さんに、ゆみ子のなき顔を見せたくはなかったのでしょう。
ところが、いざ出発というときに、ゆみ子の、「一つだけ」が、はじまったのです。
お父さんは、ホ-ムのはしっぽの、ごみすて場のような所に、わすれられたようにさいていた
コスモスの花を見付け「ゆみ。さあ、一つだけあげよう。一つだけのお花、大事にするんだよう」
といって、わたしたのです。
それから、十年がたちました。ゆみ子は、お父さんの顔も、自分にお父さんがあったことすらも知りません。
お母さんの手伝いをするゆみ子の家の庭には、コスモスがたくさんさいています。
2002/08/02
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回答
No.2安房直子さんの短編で・・
うさままさん、こんにちは。
私はコスモスというと、安房直子さんの「秋の風鈴」を思い出します。
「銀のくじゃく」という本に入っている、こんなお話です。
青年は、思い出のつまった風鈴をしまうのがさみしくて、夏が過ぎてもずっと
窓辺に飾っていました。
やがてある日、青年のもとに差出人のないハガキが1枚届きます。
葉書には、風鈴をしまってください、とそっけなく書かれていました。青年は
相手にせず、風鈴をしまいませんでした。すると、ハガキは次々に届くように
なり、その内容もだんだん切実に訴えかけるものに変わってきたのです。
「風鈴がうるさくて眠れないのです」
「わたしたちは本当に困っているのです」と。
誰だか知らないが、この風鈴の音くらいで、眠れないほど神経の細い人なんだ、
そんなに辛い思いをさせているのなら仕方がないと、青年はとうとう根負けし
て風鈴をしまいました。
それから少したったある日の朝、青年がふと外をみると、青年の家の周りには、
たくさんのコスモスが一斉に花をゆらしていたのでした・・・
ありがとう、ありがとう・・と花たちがお礼を言っていた気もします。
泣けるという話ではないので違うかもしれませんが、コスモスと聞いてこれを
書きたくなりました。
たくさん情報が集まって、お探しのコスモスの話がみつかるといいですね。
2002/08/03
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