復刊ドットコム相談室
あの本のタイトルが知りたい
-
2005/02/06(返答 4件)
受付中
児童向けSF小説
26年位前に読みました。
海外の児童向けSF小説の翻訳ではないかと思っています。
人類が月に進出するお話で、それまでの経緯はまったく覚えていないのですが、ラストシーンだけ覚えていて当時、そこで感動したので今でも忘れられません。
そのラストシーンは以下のような感じです。
月面に建てられた完全に管理された環境の建物の中に子供がいてふと窓の外を見ると、同じような年代の子供が覗いている。
何とかコミュニケーションをとろうとして、家の中の子供がじゃんけんを教える。
何度かじゃんけんをしているうちにあいこの回数が増えてくる。
家の中の子供は勝てなくて悔しがるが、外にいる子供はあいこになるたびに喜んでいる。
それがお話の本当のラストかどうかはよく分かりません。
どうぞ、よろしくお願いします。
-
回答
No.1「もうひとつのルール」だと思います。
森下一仁(もりしたかつひと)氏の、「もうひとつのルール」という短編だと思います。
SFマガジン1956年7月号に掲載された後、1982年に集英社のコバルト文庫「あした・出会った・少女」という本に収録されました。
翻訳でも子ども向けにかかれたものでもありませんし、あらすじもかなり違うようですが、
「窓越しに子どもが子どもにじゃんけんを教える」
「教えているほうの子どもは勝ち負けを争う遊びとして教えたのだが、教わる子どものほうは、同じものを出しあうゲームだと覚えた」
という点が同じなのでたぶん間違いないと思います。
収録されたのがコバルト文庫というジュニア向け文庫であり、物語の前半は主人公が子どもであるために、児童向けの印象が残っていらっしゃるのではないかと思います。
大好きな短編です。
初めて読んだのは10代の終わりですが、20年以上経っても大切に保管してあります。40代に突入した今読み返しても、胸が痛くなって泣きたくなるような、素晴らしい作品です。 -
回答
No.2あらすじです。
↓だけでは分からないかもしれないと思い直しましたので。
(ご注意ください、ネタバレしてます。)
主人公の少年はスペースコロニーから、父親の操縦するシャトルで、地球へおりた。地球は大規模戦争のために放射能と生物兵器に汚染されていて、人が住むには適さなくなっていたのだが、父親は地球から資源をコロニーへ持ち帰るという仕事をしていたので、地球を見てみたいとねだったのだ。
しかし、子供用の防護服などなかったので、地上についても主人公はシャトルで留守番だった。そのとき、窓の外に子どもが現れた。汚れていて奇形もある子どもを主人公は始め気味悪がったのだが、子どもが遊んで欲しそうにしていたので、じゃんけんを教えて遊んだ。
12年後、大人になった主人公は地上調査のため地上に降りた。
他の調査隊員たちは、地上で生き延びていた人間達を、放射能障害で知能が劣っているために同じ人間とはみなさなかったが、一緒に遊んだ経験のある主人公だけはそうは思わなかった。
そして、昔じゃんけんを教えた相手が生き残って子どもをもったらしいのを知るのだが、再会を果たす前に、他の隊員の不注意によってその相手は死んでしまう。
主人公は、自分以外の隊員たちが、「人間」ではなく「別の生き物」が死んだ程度にしか思っていないのに腹を立てて基地を飛び出し歩いていたとき、残された子ども達を見つける。
子ども達は、じゃんけんをして遊んでいた。それを見て、一緒に遊んだあの子とは、あの時確かに心が通じ合ったのだと主人公は胸が熱くなった。
しかし、しばらく見ていたら、何かが違う。相手を負かして喜んでいるのではなく、同じものが出ると喜んでいるのである。
心が通じ合うどころか、全く別のゲームをしていたのかもしれない……。
主人公は、泣きはじめた。 -
回答
No.3ありがとうございました^^
モンテヴェッキオさん、ありがとうございます。
あらすじの内容に覚えがあります。
ご紹介くださったコバルト文庫「あした・出会った・少女」の表紙画像を見ることが出来ました。
見覚えがあるような気がします。
この小説を読んだ当時は、コバルト文庫を含め、日本のSF小説を濫読していたので、記憶が曖昧なので間違えていたようです。
かなり前に書き込んで返事がなくあきらめかけていたので、とても嬉しいです。
古本を探してみます。
ありがとうございました。 -
回答
No.4間違えました
すみません。一番最初の書き込みの「1956年」は、「昭和56年」の間違いです。
1956年じゃあ、SFマガジンは創刊されてない…かな?
失礼いたしました。
次の画面へお進みください