飛鳥にはどのような王宮や施設が造られ、整備されていたか。考古学の成果と『日本書紀』により、その姿が生き生きとよみがえる。

徴兵令制定から、兵役法廃止まで70余年の度重なる改変過程と軍部・政府間の攻防を辿り、日本近代国家の特質を抉出。

天台・真言の中世への展開をあとづけて、古代仏教の日本文化への影響力を述べている。比叡山延暦寺や葛川明王院の史料調査。

満州事変前夜の大陸を席捲した国民革命軍北伐の嵐。その渦中で、南京・漢口事件・張爆死など複雑に展開する事象に日本はいかに対応したか、その全貌を描く。

研究方法・文と連文・話部・語詞・発展的動向など分析的見地に基づき、総合的に把握した日本語構造論。

地理学が元来、日本歴史や考古学とよりあって研究される必要をとき、その方法論の展開とともに、歴史時代における地形を、多数の図版に重点おき復元する。

アジア的封建制究明の視角を提唱した一人である著者が、代表的地方庄園の一つである九州庄園を具体的考察。

古代貴族の特色に加え、大古墳群や異色の遺跡の歴史的背景を、新出史料・日朝史料等広く駆使して考察し、豪族の支配的存在形態を解明。

正倉院蔵の天平期正税帳や財政文書等の基礎的研究を通じて、古代国家財政の機構・運用の実態に迫り、その成立・展開から崩壊にいたる全過程を鳥瞰。

古代における宗教と国家権力とのかかわりを一記紀神話の政治的性格のみならず、それを具体的に古代国家においてどのように機能を発揮したを考察。

“記紀伝承の批判的考察”の方法により日本古代国家の特色、古代天皇制の歴史的性格に、著者独自の見解を展開。

本書は浄土教ー専修念仏の実態を実証的に再検討し、浄土教中心史観からの脱却を図り、古代中世仏教史像の組替を企画した意欲作。

古代の官職制度について『古事類苑』ほか先行諸研究を参照し、複雑なその内容を簡潔に整理整頓した、古代史・文学研究者に必須の辞典。

高価な茶道具にまつわる美と醜の世界を、視野に入れない従来の利休論にあきたらなかった筆者が、書き下ろした利休の実像。

ガンディーに対立してヒンドゥーの差別と闘い、インドに仏教を復興した不可触民出身の政治家の生涯。日本のアンベードカル研究の原典。

日本古代史を網羅すべく、位階・官職をはじめ、史料上に残る人物13,600名を収録する。すべての項目に出典を明記し解説した労作。

大戦期のアジア外交の形成と展開を明らかにし、日本の戦争目的とされた「民族解放」が政策的にどのような意味を持っていたかを検証する。

「古文書を読む」とは、中世史研究の出発点であると同時に目標の一つ。二十数点の古文書を読みながら、中世社会の知られざる姿を再現する。

南北朝内乱を底辺でつき動かした民衆の姿、悪党の活躍に視点を据え、内乱を階級闘争史の観点からとらえ直す。

「神道」とはなにか？ 日本文化の根底にあり日本人の風俗・習慣とともに継承されてきた神道。日本文化と神道のすべてを網羅し系統的にわかりやすく解説する。