復刊ドットコム

新規会員登録

新規会員登録

V-POINT 貯まる!使える!

hiroさんのページ

復刊リクエスト投票

  • シネマトグラフ覚書

    【著者】ロベール・ブレッソン

    数年前、東京国際映画祭でブレッソンの作品を幾つか目にして、虜になりました。中でも日本未公開の「湖のランスロ」は、武器や鎧の擦れ合う音や吹き出る血のリアルさに驚かされました。また、ジャンヌ・ダルク裁判は、スクリーンで見ると、ドラムロールの音の迫力や登場人物の交わす目線や仕草がよく見えて、ビデオなどで見るのとは違った作品に思えました。ブレッソンの特異さは、厳格な掟を自らに課すことによって、見る人に自由をもたらしたことで、世に溢れる一方的で押し付けがましい(表面的には媚びを装った)作品の粗悪さを浮き彫りにしたことではないでしょうか・・。ブレッソンのような作品ばかりでは息が詰まる気もしますが、ブレッソンの望みは、自らの作品さえも必要とされない調和のとれた世界が来ることで、それは有り得ないと知りつつ、しかし、それに向けて一人一人が生きることこそが大事だと、訴え続けることで、世界をより良くしたい(より悪くしたくない)のだと思います。(2004/06/06)

V-POINT 貯まる!使える!