ずんださんのページ 復刊リクエスト投票 人間 -シンボルを操るもの 【著者】カッシーラー 『シンボル形式の哲学』が岩波文庫から出ていますが、いきなりこの四分冊の著書を読むのは難しいと思います。20世紀を代表する思想史家にして哲学者で、ハイデガーと対話し、アインシュタインなどの同時代の科学を論じ、今なお古典の地位を占めるカント論を執筆し、複数の言語を自在に操り、ナチスが台頭して以降は、イギリス、スウェーデン、そしてアメリカへと亡命していった、おそらく「最後の」と言ってよい「万能人」に接することができないというのは、大きな不幸であり損失であると思います。亡命先のアメリカで、『国家の神話』とともに最晩年に書かれた一般向けの著書『人間』は、カッシーラーに接するには最も入りやすいものだと思います。この著書を通じてカッシーラーを知る人が増えれば、また一つ、日本に大きな知的公共財が積みあげられることになります。(2007/04/25)
復刊リクエスト投票
人間 -シンボルを操るもの
【著者】カッシーラー