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• 崖の国物語 全11巻

  【著者】ポール・スチュワート 著 ／ 唐沢則幸 訳

  多くのファンタジー小説を読んできましたが、この本のように全ての動植物、現象、物理法則が考え抜かれて作られている作品には出会ったことがありません。児童書ファンタジー小説に出てくる動物と言えばせいぜいゴブリン、ドラゴン、エルフあたりがそれぞれの特性を活かした活躍をする程度ですが、この作品は多種多様な動植物がそれぞれの生態系の中で生き抜いているところ一つ一つが細かく描写され、完全に違う世界に没入する事が出来ます。物理法則等々もしっかり考え抜かれて描写されており、初めて読んだのは10代の時でしたが本当に別の世界に入り込んだようで、他のどのファンタジーよりものめり込んだのを覚えています。
  私は10代から読み続け、この本を親戚の少年たちに紹介しようと思ったところ、絶版であることに気付きました。あらたな主人公であるケイドの3部作も出版されているようですが、日本語訳の出る予定はないのでしょうか。どうか、日本語で続きを読ませてください。よろしくお願いします。(2023/05/13)