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著者 | W.G.ゼーバルト 著 / 鈴木仁子 訳 |
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出版社 | 白水社 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784560027318 9784560097786 |
登録日 | 2015/03/24 |
リクエストNo. | 61693 |
リクエスト内容
<私>はイギリス南東部を徒歩で旅し、過去何世紀にもわたる様々な破壊の跡を目にした。海辺で、資料館で、<私>の連想は、帝国主義時代のオランダの過去、ワーテルローの戦場跡を訪れた記憶、バルカン半島における虐殺の歴史、アフリカ大陸でのベルギーの搾取や略奪などへと続いていく。
<私>は旅先で多くの人びとと出会い、過去の様々な人びとを想起し、その生涯を辿る。コンゴで植民地主義の狂気を目の当たりにし、『闇の奥』を書いたコンラッド、「理想の国民」たる蚕を偏愛した西太后、フランス革命前後の激動をくぐり抜け、回想録『墓のかなたから』を書いたシャトーブリアン…。
最後に<私>は、中国からヨーロッパにもたらされ、各国で国家事業として育成された養蚕に思いをはせる。養蚕を国家意識高揚に結びつける企図は、百年後ナチによっても鼓舞されていた…。
思索や連想の糸がたぐられ、ヨーロッパ帝国主義による破壊と自然がもたらした災厄、古今の文人たちの生涯を辿っていく。誰も振り返らない往古の出来事、忘れられた廃墟が、時空を超えて呼び戻される。境界がなく、脱線と反復を真骨頂とする、ゼーバルト独自の世界。
解説=柴田元幸
投票コメント
全16件
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ゼーバルトコレクションにおいて、破壊の風景を物語る重要な作品です。アウステルリッツに至るまでのゼーバルトが築いたペシミスティックな視座を知る上でも、手に入れたい作品です。個人的にはこの一冊のみ持っていないから、という理由もありますが、、正規のルートできちんと購入できるよう復刊していただきたいです。 (2018/02/13)GOOD!4
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「アウステルリッツ」の復刊希望にも書きましたが、ゼーバルトの作品は和訳されたものは図書館で借りてほぼ読みました。それからしばらくたって、気になってまた読み返したくなり、いくつか借り出して再読しています。GOOD!4
大文字の「歴史」によって決してすくい取られることのない片隅の世界を調査し、踏査し、書き留めずにはいられない。ゼーバルトは細部にひとびとの思い、アイロニーを嗅ぎつける稀有な才能があるようだ。訳者の日本語もすばらしい。 (2017/12/01) -
ゼーバルトコレクションを全巻揃えて所有したいから。 (2018/09/22)GOOD!2
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手元に置いて、じっくり読みたいです。ぜひ、復刊を!よろしくお願いします。 (2018/01/05)GOOD!1
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昨年読んで、ぜひ手元に置きたいと思いましたが、絶版です。(しかも古書ではプレミア価格…)最寄りの図書館にいつもあるので(誰も借りてない)、うらめしいです。復刊をよろしくお願いします。 (2017/01/21)GOOD!1
読後レビュー
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h.c.humsi