6 票
著者 | セーレン・キルケゴール著 桝田啓三郎訳注 |
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出版社 | 岩波書店 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784003363546 |
登録日 | 2006/05/27 |
リクエストNo. | 34051 |
リクエスト内容
現代は情熱を失った時代であり,人々は分別をふりまわすだけで,決して自ら行動に出ようとはしない.――さながら二十世紀の現代を予言したともいえる書.読者は読み進むにつれ,その批判の生々しさに,まるでつい昨日書かれた著作のようだ,と嘆声をあげずにはいられないだろう.「天才と使徒との相違について」を併収.(岩波書店ホームページより)
日本を代表するキルケゴール研究者桝田啓三郎氏の翻訳。
本作は中公クラシックスにも収録されていますが注釈が削られています。また『天才と使徒との相違について』が読めるのは岩波版だけです。
投票コメント
全6件
読後レビュー
全1件
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キルケゴール入門
「とりあえずキルケゴールの著作を読みたい」という方は本作を読むのが一番だと思います。分量も少なく現在でも優れた現代・大衆批判です。一般にキルケゴールの著作は人を寄せ付けない嫌いがありますが、本作は比較的読みやすい(しかし1度や2度では歯がたたない)でしょう。
さて『二つの時代』の文芸評論という形であぶり出された“現代”の姿は「分別(情報)はあるが情熱のない時代」になります。それはSNS時代の現在においてますます加速しているかもしれない。政治家・芸能人の発言や行動で一時期的に“炎上”するものの、それは半年もしないうちに有耶無耶になる。そしてそしてあれほど騒いだ事件の顛末がほとんどの大衆は気にもしない。
歴史初のマスコミ被害ともいうべき「コルサル事件」の被害者であったキルケゴールは身に染みたことでしょう。後にヤスパースやハイデッガーもキルケゴールの現代批判を継承します。
最後に国際報道などで「各国で極右・原理主義者への傾倒が見られる」と分析されることがあります。一見するとキルケゴールの指摘とは反対ですが、むしろ大衆は極右・原理主義へ均質(水平)化してるといえるのかもしれません。彼は『死にいたる病』をはじめ「信仰(神)と向き合うことで責任ある個人になれ」と説くのですが、神無き現代に可能なのか。現代でも彼の現代批判は普遍です。 (2024/12/19)
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北瓜