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極北の秘教

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読んでみたい!!

2007/04/01

非常にユニークな小説です。
思弁SFや幻想小説のようであり、それでいて全体のトーンは軽くふざけた調子。報告書という形式を利用した、戯曲と小説の融合。
奇しくも彼女の遺稿となったらしい書評においてスーザン・ソンタグが書いているように、容易には類書の見つけがたい逸品です。珍作と言ってもいい。

訳文の方も独特の文体を終始維持しており、ちょっとした駄洒落などにも苦心のあとが見えます。訳註も、本篇の長さのわりにはなかなか充実しています。

工作舎の本らしい装丁・造本で、これはこれで魅力的なのですが、個人的にはどこか比較的マイナーな文芸作品や俗に言う「奇書」の類を扱う文庫(例えば河出など)に収録されることを希望します。尚、後半にかけて誤植が目立ちますので、改訂版、あるいはその後の研究を踏まえた改訳版の登場を期待したいと思います。

2006/04/18