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倒錯の偶像-世紀末幻想としての女性悪

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先日東京藝術大学美術館の『ヴィクトリアン・ヌード』展でその美しい絵画(女性美)を堪能してきたが、会場の解説、パンフともに偽善的なヴィクトリア朝の「ミソジニー(女嫌い)」への言及は皆無であった。美は美として確かに素晴らしいが、それを生み出した社会構造がどうであったかについての了解は避けて通れないだろう。マリオ・プラーツだけでは片手落ちである。
この書の魅力は、著者が15年に亙り蒐集した当時の展覧会カタログや美術雑誌から発掘した珍しい300もの絵画の数々である。実際この書で初めて見るものが多い。
ラファエロ前派に心惹かれる美を愛する者の必読書。

2003/08/22