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こうちゃんさんの公開ページ レビュー一覧

レビュー

  • ドラえもん 4 <藤子・F・不二雄大全集>

    藤子・F・不二雄

    世界は誰かの仕事でできている

    藤子・F・不二雄大全集ドラえもん④には名作揃いの72作品が掲載され、感動を呼ぶ「ぞうとおじさん」「さよなら、ドラえもん」「帰ってきたドラえもん」、過去や未来の家族に出会う「夢まくらのおじいさん」、「りっぱなパパになるぞ!」、人気作「名刀「電光丸」」「たとえ胃の中、水の中」「かがみでコマーシャル」などが収録されています。中でも私が一番好きなのは小学生の時に読んだ「ぐうたらの日」。国民の祝日がない6月はつまらない月と嘆くのび太に同じ年頃の自分は強く共感していましたが、誰も働かない世界はこんなことになるのかと、缶コーヒーのCMでお馴染みの「世界は誰かの仕事でできている」が本当によく分かる話でした。同巻にある「ポータブル国会」もそうですが何気に子供が世の中を学んでいるのがドラえもんの藤子F先生の凄いところで大人になって読むと本当に奥深いなと感じます。(2019/07/22)

  • ドラえもん 5 <藤子・F・不二雄大全集>

    藤子・F・不二雄

    過去をかってにかえるのは、いけないことなんだぞ!by ドラえもん

    藤子・F・不二雄大全集ドラえもん⑤には6年分72本が掲載され、バケルくんと競演するクロスオーバー作品「ぼく、桃太郎のなんなのさ」、代表的な秘密道具「デンデンハウスは気楽だな」「もしもボックス」「ころばし屋」などが収録されています。また、ドラえもんが道具の中で使い道がないと持て余す暗くなる電球を使った「夜をうります」も秀逸でオススメです。その中で私が一番推したいのは現在・過去・未来の自分同士が繰り広げるドタバタ劇「ぼくを止めるのび太」。これはファン人気の高い「ドラえもんだらけ」(藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん1巻収録)と同じタイムパラドックスを使ったお話ですが、こちらはのび太だらけになります(笑)。思い掛けないお金が入り貯金が1300円になったのでかねての夢を叶えようとするのび太。それはカップめん十個を食べる、プラモデルを買うの2つだったがカップ麺を選択し満足するも全てを食べ切れず後悔。しかし、おあいにくさま!ちゃんと考えてあると言ってタイムマシンで1時間前の自分にプラモを買うよう説得。だが現在に戻っても変化なく再び1時間前に行くと現在より1時間後ののび太がプラモ購入を阻止していた。口出しするな!と怒るのび太にプラモを作ったがメチャクチャになったと反論するのび太。のび太同士の言い争いを止めに入るのび太も巻き込んで殴り合いが始まるがそこにボロボロになったのび太達が止めに来て…このこんがらがった事態にドラえもんもお手上げで最後にクスッと笑えるオチが付く。よく出来たSFでありながらバカバカしくって楽しめる、藤子F先生の本領発揮の1本です。(2018/09/02)

  • ドラえもん 3 <藤子・F・不二雄大全集>

    藤子・F・不二雄

    古典落語「壺算」をドラえもんで楽しむ

    藤子・F・不二雄大全集ドラえもん③には72作品が掲載され、名作「ペロ!生きかえって」や代表的な秘密道具の「テストにアンキパン」「きせかえカメラ」などが収録されています。また、心温まる「重力ペンキ」、物の価値について考えさせられる「王かんコレクション」はオススメです。その中で私が一番推したいのは落語「壷算」を元ネタにした「世の中うそだらけ」。「壷算」とは水瓶を買いに行った男が算術トリックを用い軽妙な話術で瀬戸物屋から安く手に入れる古典落語で、漫画では水瓶をアイスクリームに置き換え最初にジャイアンがのび太を騙します。落語では瀬戸物屋が一方的にやり込められますが、のび太は秘密道具の力を借り?反撃。タジタジになるジャイアンですが最後はドラえもんらしいオチが付き読者を笑わせます。落語を見事なアレンジで面白い漫画に変換させる、さすが藤子F先生という作品です。(2018/03/11)

  • バケルくん <藤子・F・不二雄大全集>

    藤子・F・不二雄

    「大人買い」という言葉の発祥漫画?

    バケルくんの存在を初めて知ったのはクロスオーバー作品でドラえもんと競演する「ぼく、桃太郎のなんなのさ」(藤子・F・不二雄大全集ドラえもん5巻収録)です。桃太郎を題材にした非常に良く出来た話で映画にもなりました。バケルくんの魅力は主人公が宇宙人からもらった人形に乗り移り様々な人間になれることですが、自分が一番羨ましかったのがお父さん人形が持つお金が無尽蔵に出る財布。100万束(おそらく)でバッサバッサと出てくるコマに毎回心が躍りました。「大人買い」という言葉はこの漫画から来ているというのが私の持論です(笑)。(2017/03/02)

  • METHODS ~押井守「パトレイバー2」演出ノート

    押井守

    パトレイバーの魅力増幅本

    タイトルに「パトレイバー」と入ってれば手当たり次第に買っていた時期にこの本も手に入れた。1つ1つのカットに対して細かい解説が記載されていて読み終えるまでにかなりの時間を要した記憶がある(笑)。昨年、実写版の長編劇場版が公開される際にパト2のDVDと一緒にこの本を見返した。改めて面白い構図、不思議な構図が沢山ある映画だと再確認。自分にとってパトレイバーは魅力あるキャラクターやメカに秀逸なストーリーが組み合わさった最高の作品だが、この本はそれを表現する映像の深さまで教えてくれる。パトレイバーの世界観が広がる一冊。(2016/02/25)

  • 横井軍平ゲーム館 Returns ~ゲームボーイを生んだ発想力

    横井軍平、牧野武文

    テンビリオン

    小学生の時に夢中になって遊んだ「テンビリオン」(知らない人でもネットで画像を見れば懐かしがる方多いと思います)、ルービックキューブの亜流と言われたが自分は面白くて毎日毎日飽きずにやっていた。そして、この玩具の発案者が横井軍平氏なのをこの本で初めて知った。「ゲーム&ウオッチ」や「ゲームボーイ」の印象が強いが入社当時はアナログ玩具が主流だった横井氏。個人的にはこちらの開発秘話の方が面白い。そういえば家にあったピンポン玉(穴の開いた玉は変化球)のピッチングマシンも横井作品の1つ「ウルトラマシン」として紹介されている。「枯れた技術の水平思考」が彼の哲学だが、テンビリオンを見れば類似品でも角度を変えればオリジナルを超える(域までの)作品が生まれることを証明したと言える思う。本人曰く「片手間の端でやった」らしいが…(2015/09/24)

  • 怪獣ウルトラ図鑑 [復刻版]

    大伴昌司

    夢のカネゴンを作りたい!

    5年程前に探偵!ナイトスクープで「夢のカネゴンを作りたい!」という依頼があり、この本に載っている「カネゴンのアイディア工作法」が再現された。依頼者は子供の頃「ザル」が用意できず断念したという。非常に面白い内容だったので私もこの本を探して読んでみたが確かに子供にとって準備物のハードルが高すぎる。この依頼を解決した石田探偵曰く「この工作法を書いた人間は絶対に1回も試作していない」(笑)。他にもケムール人やペスターが再現されていたが、単に怪獣の紹介だけでなく工作法まで載っているところがこの本の魅力である。(2014/09/25)

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