復刊ドットコム

新規会員登録

新規会員登録

T-POINT 貯まる!使える!

エル・トポさんの公開ページ レビュー一覧

レビュー

  • レ・コスミコミケ

    イタロ・カルヴィーノ

    デタラメ宇宙史

    20世紀版ほら吹き男爵たる語り手が、古今の様々な(間違った)学説の引用を端緒に自身の若き日の宇宙論的嘘武勇伝を物語る、という体裁の連作短編集。続編の『柔らかい月』も併せて読まれたし。(2016/08/03)

  • カンディード

    ヴォルテール

    オモシロ世界旅行記

    表題作『カンディード』は、諦念とある意味での絶望で幕を閉じるともみえるが、作者は執筆後、それを裏切るかのような戦闘的社会活動を繰り広げたそうな。(2016/02/05)

  • 白鯨 上

    ハーマン・メルヴィル 著 / 八木敏雄 訳

    知的ごった煮

    この小説、正直、本筋よりも鯨雑学・与太話のくだりのほうが面白い。(2015/09/02)

  • 幻獣辞典

    ホルヘ・ルイス・ボルヘス マルガリータ・ゲレロ 著 / 柳瀬尚紀 訳

    碩学による幻想博物誌

    ギリシア神話に登場する有名なものから、ドマイナーな辺境の宗教説話中のもの、果てはおそらく作者自身によるでっちあげと思しきものまで、様々な怪物の概説を詩的な文章で綴った一冊。ロールプレイングゲーム製作者の間では必読の書になっているであろうと思われる。(2015/04/01)

  • ファウスト博士 上

    トーマス・マン 著 / 関泰祐・関楠生 訳

    トーマス・マンによるフィクションのかたちをとったニーチェ伝

    ファウスト伝説、ニーチェの生涯、そしてナチズムへと至る近代ドイツの精神と運命。この三つの要素をアクロバティックな文芸技法で主人公アードリアーネ・レーバーキューンに体現させた。アメリカ亡命中のマンが、祖国への強烈な愛と憎悪と憐憫を迸らせており、これこそが真のドイツ愛国者の態度であると思い知らされる。(2012/12/05)

  • ブロディーの報告書

    J.L.ボルヘス 著 / 鼓直 訳

    ボルヘス後期の傑作

    1970年出版、ホルへ・ルイス・ボルヘスの哲学的幻想短編集である。本作に収録された『マルコ福音書』と題された作品が、翌71年公開のデニス・ホッパー監督、主演映画『ラスト・ムービー』のストーリーと酷似しているのは偶然か。私は、表題作『ブロディーの報告書』からの経路で、元ネタであるジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』を手に取った。(2012/07/13)

T-POINT 貯まる!使える!