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慈雲尊者提唱『金剛経』の真髄 『金剛般若経講解』を読む

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密禅一如

一部の宗派を除き仏教では「戒(律)・定(禅)・慧」の三学兼修が求められます。真言宗で重用される『菩提心論』でも「三昧地(禅定)に達することで即身成仏(生身のまま覚りを得る)できる」と説かれ、尊者自身、道場観(密教の瞑想法)を通し自らの過ちに気付かれました。禅への関心は深く禅宗との交流もありました。
尊者が禅宗で重用される『金剛経』の講義を行ったのも当然でしょう。一段一段、仏典のみならず儒教や神道の経典を駆使して読み解いておられます。一見すると密教と無関係とも思われますが「すべての文字の中に仏教の教え(大日如来の声)が宿っている」という空海様の教えを思わせます。
密教と禅宗の融和が本作に示されているように思います。

2025/08/24