レビュー一覧

柴山全慶 無門関講話

全1件

光を求めて

柴山師は禅的体験をしばしば「深い絶望を超えるような体験」とおっしゃっています。またいたずらに公案を思弁的・倫理的に解釈することを戒めています。
本書はもともとアメリカの知識層に向けた提唱が元になっています。たとえば一見すると罵倒としか思えない無門師の先師への賞賛であり、禅の初心者が躓くであろう部分を補足していますが、決して回答が示されていません。それは読者が全存在を傾けて導き出すものでありましょう。
『無門関』の解説書はいくつかあります。自分の師や宗派に合せて選ぶのがベストとは思いますが、そういった縁のない方は本書を手にするのがいいでしょう。どうか一筋の光が得られんことを。

2025/08/27