ヒルベルト空間と線形作用素の概念の解説からはじめ、有限自由度かつ非相対論的な量子力学の一般的設定を解説し、その後に個別的な現象の取り扱いに触れる。物性論の例として、結晶格子の格子振動について論じる。

光や音などの波が伝播する際に、媒体や障害物によって散らされるという現象がある。この散乱現象について、波動方程式に対する問題の定式化から最先端の話題までラックス-フィリップスの理論を中心に解説する。

物質を構成する究極の要素としての素粒子。新粒子発見が相次ぎ、またパリティ非保存などの実験事実が確認されるなか、それらをすべて説明する理論は「統一理論」と呼ばれた。大変革が起きつつあった時代の理論発展の軌...

現在のインターネットのセキュリティを支える公開鍵暗号方式。それを破ることになるであろう量子コンピュータ。そのアルゴリズムと実現方法、また量子暗号の可能性をわかりやすく解説する。

いま注目を集める「量子もつれ」とは何か。量子力学による実在概念の転換は何をもたらしたか。アインシュタインの無理解を示すとされたEPR論文の「復活」に始まる歴史にもふれつつ、対話体を交えて平易に解説する。...

一貫した体系にまとめられた力学の教科書として名著の定評を得ている。 前半では質点・剛体の力学を説明し、後半は解析力学とハミルトン-ヤコービの理論にあて、量子力学への準備を完成する。相対論的力学を追補。...

スピン間の量子力学的相互作用は、高温超伝導や巨大磁気抵抗などの興味深い現象で重要な役割をはたし、量子情報処理への応用でも注目されている。 現在さかんに研究されている、スピン系の扱い方を最新の話題を交え...

メゾスコピック超伝導系は、シュレーディンガーの猫に象徴される量子力学のパラドックスを解く鍵であり、量子コンピューターなどの新技術の土壌として応用面からも期待される。 超伝導の直観的理解から始めて数式に...

量子力学によって確立されたミクロの基礎法則とわれわれが目にするマクロな現象とはいったいどのように橋渡しされるのか。 膨大なミクロ情報を少数のマクロの情報へ圧縮する統計力学のしくみを明快に解説する。

量子的粒子の生成・消滅を統一的に記述する量子場の概念によって、多数の粒子間の相互作用を簡潔な形式でとらえることが可能となる。 この量子場を、古典的物質波の量子化という迂遠な方法を用いず簡潔明快に導入す...

現代社会を支える微細加工技術が作り出す低次元量子系。そこでは電子の波動性による量子効果が実験結果にあらわになる。 量子井戸、量子細線、量子ドットなどメゾスコピック系の物理を基本から丁寧に解説する入門書...

古典物理学では説明できない事象に着目し、量子力学のアイデアが生まれてきたわけを丁寧に解説することで、直観とは相いれないこの一見不思議な理論が現実世界をみごとにとらえていることを実感させてくれる入門書。

長くその存在すら疑われていたAB効果とベクトルポテンシャルの実在を実験的に示し、量子力学の基礎に関する実験研究の先頭を担った著者によるユニークな量子力学へのガイド。 波動粒子二重性に焦点を合わせ丁寧に...

本書は、工学へのアプローチを念頭においた量子力学の入門書である。 量子力学の歴史的な流れにとらわれることなく、早い段階でシュレーディンガー方程式を導入し、その応用例に触れることで、量子力学的な世界観に...