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著者 | 中国美術史・大師原典 上製 中信美術館/橋本健太 訳 |
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出版社 | 中信出版日本 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784909874238 |
登録日 | 2025/03/30 |
リクエストNo. | 77521 |
リクエスト内容
張僧繇、南北朝時代の南朝の梁国で貴重な文書などを所蔵する宮中の秘閣で画を学ぶ。史上最初の宮廷画家の1人。
梁の武帝は王子を遠征に派遣したが、その子を思うあまり、張僧繇に命じて肖像画を描かせに行かせた。
その出来栄えは武帝をして「実際にわが子が帰ってきて対面しているようであった」と言わしめた程であって、いかに張僧繇の画力が高く、真に迫っていたかがわかる。
「画竜点晴睛」の竜が壁を破って飛び去るという成語は、その作画の絶妙さを形容することから来る。
五星二十八宿神形図
絹本著色、縦27.5cm、横490cm
本作品は五星二十八宿のイメージを描き、五星とは金、木、水、火、土星を指す。二十八宿は本来古人が日、月、五星の動きと比較して区分し、選んだ28の星官であり、天体観測の基準とした。本作品は想像上の星宿のイメージを描いたもので、現在では五星と十二宿図が残るのみである。本画巻は原典の上巻とみられ、各々の星、宿に1つずつ、想像上の人物を描き、それは女性や老人、少年、或いは獣頭人身であったりする。
人物は細くしなやかな線で描く技法である遊糸描を用い、細いが力強く秀逸、輪郭はなめらかで均一、著色は雅やかで繊細、絵の中の牛や馬は真に迫って生き生きとしており、緻密な画風である。凹凸法を展開したのみならず、人物の肉体の質感をも強調する。
東方書店の紹介より引用
中国古典の星宿信仰を考える上で重要な五星二十八宿神形図を大判の図版でじっくりと鑑賞できる貴重な一冊。
画家は 画竜点睛 という故事成語の元となった画家である。
投票コメント
全1件
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現在大阪市立美術館に収蔵されている本作は、伝張僧繇・五星二十八宿神形図という。この作品は伝とあるとおり、張僧繇の作と確定したわけではなく実際は張僧繇の作を写し取った唐代の写本であろうとされている。しかしながら、もとの作品が張僧繇の作のものであろうと十分に推察できるほど文献的にみえる張僧繇の作風の特徴が巧みに写し取られながら、唐代の特長も盛り込まれた折衷作とも言え、その優れた技術を鑑賞することができる。本書はその図版を大きく鮮明に鑑賞することができ、絹の目の様子まで見てとれる。中国古代の図像研究を行う上で重要な書籍だと考えている。GOOD!2
豊かな技術もさることながら、その図像の特異性は興味深い。張僧繇の五星二十八宿神形図は同様、類似した図像が用いられた同題名の作品が複数見つかっている。中国だけでなく、日本にも複数渡っており、その図像が持つ魅力は時を経て影響していることを示している。
中国古代の人々の見た空の世界を大きな図版でいつでも眺めることができたらどんなに幸福だろうか。 (2025/03/30)
読後レビュー
NEWS
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2025/03/30
『張僧繇・五星二十八宿神形図』(中国美術史・大師原典 上製 中信美術館/橋本健太 訳)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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