【内容】

従来の諸科学の内容＝還元主義を排し、
複雑なものを複雑なものと見ることから、
経済学の再構築を構想。
新古典派経済学の枠組みを根底から批判し、
合理性に限界をもつ人間たちの
相互作用の場という新しい市場像を提示する。
日本で最初に、書名に「複雑系」を掲げ、
複雑系ブームを先導した労作。
サントリー学芸賞受賞。


【目次】

第Ⅰ部　市場の秩序と無秩序

第１章　経済の自己形成秩序
第２章　市場のみえる手
第３章　局所的知識

第Ⅱ部　急進客観主義への迂回

第４章　スラッファ『批判序説』の射程
第５章　ピエロ・スラッファ―ひと、分配、認識
第６章　不況の理論とスラッファの原理

第Ⅲ部　人間と合理性の限界

第７章　経済学における人間
第８章　「計算量」の理論と「合理性」の限界
第９章　反均衡から複雑系へ

第Ⅳ部　複雑系の理論

第１０章　在庫・貨幣・信用―複雑系の調整機構
第１１章　複雑系における人間行動


【著者】

1943年生まれ。
京都大学理学部数学科卒業。
大阪市立大学名誉教授。
現在、中央大学教授。
主な著書に『近代経済学の反省』
『複雑さの帰結』『複雑系経済学入門』など。