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著者 | A・アナトーリ(クズネツォフ)著 |
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出版社 | 講談社 |
ジャンル | 専門書 |
登録日 | 2003/11/26 |
リクエストNo. | 20939 |
リクエスト内容
◆バービイ・ヤール-無削除決定版-:A・アナトーリ(クズネツォフ)著/平田恩訳 講談社刊(1973)
キエフに住む少年(著者)から見た独ソ戦下のロシアの暮し。戦記本ではないが、文学的ドキュメンタリーとして滅法面白い。バービイ・ヤール自体はこの世のものとも思えぬ人間屠殺場だが、スターリンとヒトラーの支配を体験した著者は、この地で起きた出来事を人間の本質として捉える。しかし記述自体は全く説教臭いものではなく、占領下の民衆の暮しに密接した感情移入しやすいもの。
こすっ辛い祖父が、最初はボルシェビキを憎む余り独軍を歓迎するが、独軍も負けず劣らず暴政を敷くため「おじいちゃん、反ナチに」なるなど笑える話しも多い。キエフ・バーニング(NKVDによる独軍ビル爆破)も詳しい。この本の記述によると捕虜となった黒海艦隊海兵隊員は皆、銃殺されたらしい。また、この本は亡命した著者が明らかにした原著にもとずく無削除版であり、以前ソ連の検閲で削られた箇所をゴチック太字で印刷しているので、ソ連がどんな記述を恐れていたかという暴露本としても面白い。
投票コメント
全16件
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バービイ・ヤールと言えば、キエフのユダヤ人約3万3000人がナチのアインザッツコマンドによって射殺された恐るべき場所。GOOD!1
ナチの暴虐もすごいですが(ウクライナ人はナチの定義からは畜生以下のウンターメンシュ(下等人類)、対ソ戦勝利の暁には追放又は人為的な餓死作戦による人口削減、残りはアーリア人の奴隷となる予定であった)、同時にスターリンの暴虐もすごい。
価値のある一冊です。 (2006/05/11) -
学生の時、偶然発見した超お宝本GOOD!1
史上最悪の戦争だった独ソ戦を、あそこまで平易に
かつその本質をクリアに喝破した本は無いと思う。
私の戦争観を完全に一変させたその内容は
記憶が消滅しつつある現代にこそ、間違いなく必要と
されている。 恐るべきスターリンの恐怖政治が
懐かしく思い出される逆説に、異様な説得力あり! (2006/01/30) -
「ショスタコヴィッチの証言」で、バービィ・ヤールのことを知り、ある日図書館でこの本を見つけました。アウシュビッツのことは有名ですが、バービィ・ヤールのことはあまり知られていないと思います。是非後世に残すべきだと思います。GOOD!1
内容はヘヴィかもしれませんが、子供の視点から書かれていて、とても読みやすい、というか殆ど一気に読んでしまったぐらいです。 (2005/03/08) -
◆バービイ・ヤール-無削除決定版-:A・アナトーリ(クズネツォフ)著/平田恩訳 講談社刊(1973)GOOD!1
キエフに住む少年(著者)から見た独ソ戦下のロシアの暮し。戦記本ではないが、文学的ドキュメンタリーとして滅法面白い。バービイ・ヤール自体はこの世のものとも思えぬ人間屠殺場だが、スターリンとヒトラーの支配を体験した著者は、この地で起きた出来事を人間の本質として捉える。しかし記述自体は全く説教臭いものではなく、占領下の民衆の暮しに密接した感情移入しやすいもの。
こすっ辛い祖父が、最初はボルシェビキを憎む余り独軍を歓迎するが、独軍も負けず劣らず暴政を敷くため「おじいちゃん、反ナチに」なるなど笑える話しも多い。キエフ・バーニング(NKVDによる独軍ビル爆破)も詳しい。この本の記述によると捕虜となった黒海艦隊海兵隊員は皆、銃殺されたらしい。また、この本は亡命した著者が明らかにした原著にもとずく無削除版であり、以前ソ連の検閲で削られた箇所をゴチック太字で印刷しているので、ソ連がどんな記述を恐れていたかという暴露本としても面白い。 (2003/11/26) -
きれいな状態で手にしたいのです (2023/04/13)GOOD!0
読後レビュー
NEWS
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2003/11/26
『バービイ・ヤール-無削除決定版-』(A・アナトーリ(クズネツォフ)著)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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aleppo