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帝国国防方針の研究―陸海軍国防思想の展開と特徴

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本書は戦前日本の政軍首脳の国防思想・政策が如何なるものであったのか、それがどのように展開されて国家運営が進められていったのかを明らかにされた労作である。各時期の国防思想の対立や、政府と軍が十分に政策や方針を調整することなく国家運営をなしていった事実がわかる。一般人や地方在住者が利用しにくい東京の防衛研究所の所蔵史料をふんだんに活用されており、研究書で敷居が高いように思われるかもしれないが軍事に関心がある方には是非読んで頂きたい書籍である。本書によって戦前日本の問題点の一つが浮き彫りになるであろう。
著者は本書以外にも内容を簡略化した新書を著しておりそちらは現在も入手できる状況であるが、本書は殆ど目にする機会がない。市町村の図書館はもとより大学の図書館でも本書を所蔵しているところは少ない。一般の方のみならず大学などで軍事を学ばれる学生の人々が利用できない状況は非常にもったいない。類似内容の新書はあるが、逐一、註に典拠や補足説明が記され、より詳細で学術性の高い本書の復刊を強く希望する。

2011/05/11