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まんだら屋の良太 全53巻

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猥雑と聖性を同居させる天才かも

畑中純の存在を知ったのはつげ義春にマンガを描かせるために創刊されたという季刊マンガ雑誌『ばく』の表紙の版画を見てからだった。本誌にもミミズク通信というマンガ(版画)を掲載していた。宮沢賢治好きを納得させるその詩的なファンタジー表現に興味を持った私は彼の他の作品を見つけて驚いた。成人マンガ雑誌の連載とはいえ、かきなぐったような描画とエロ満載のギャグは版画世界とは真逆の世界だった。しかし、そのストーリーの構築と絵の強さ、構図の卓越性はつげ義春もほめていたが、あの時代の漫画家としては群を抜いていた。とにかくパロディとテンポと時折見せるペーソスの抒情性が、才能を感じさせてすぐに彼のとりこになった。大人が楽しめるマンガが描ける稀な作家だっただけに、彼の早逝は惜しいの一言。ちなみにNHKでドラマ化されたときはびっくりだった。さすがに下ネタは削除されたもんだったが。。

2018/02/24