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せいしょくき(性しょくき・・・しょくきは忘失)
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手元にあるのは初出の71年7月発行のB5版のCOM増刊号であるが、9月にA6版で限定愛蔵版として刊行されたらしい。怒涛の60年代の終わり頃か終わった後に描かれた作品集であるために、71年当時25歳の宮谷氏も国家・政治・テロルの思想にどっぷり浸かっていたことが分かる。作家本人とその妻(妊娠5ヵ月)の2ショットフルヌード(ロケ地は廃屋)で自己アピールする巻頭グラビア(8ページ掲載)からも、過剰なまでに自己表現を問うこと、また、発することが若者の強迫観念あるいは特権のような時代であったことがわかる。
彼のあの、アクの強いどろ系濃厚スープのような作品群を食すのには時間がかかる。かつ、消化するのもひと苦労である。しかし、一度あの味を味わうと忘れられなくなる。また食したいという欲望を刺激させずにはいられない。宮谷作品とは危険な中毒を起こす劇薬なのだ。取り扱いに注意を要する。この刺激を求める人たちは、己が狂ってることを自覚すべし。
2012/07/16
手元にあるのは初出の71年7月発行のB5版のCOM増刊号であるが、9月にA6版で限定愛蔵版として刊行されたらしい。怒涛の60年代の終わり頃か終わった後に描かれた作品集であるために、71年当時25歳の宮谷氏も国家・政治・テロルの思想にどっぷり浸かっていたことが分かる。作家本人とその妻(妊娠5ヵ月)の2ショットフルヌード(ロケ地は廃屋)で自己アピールする巻頭グラビア(8ページ掲載)からも、過剰なまでに自己表現を問うこと、また、発することが若者の強迫観念あるいは特権のような時代であったことがわかる。
彼のあの、アクの強いどろ系濃厚スープのような作品群を食すのには時間がかかる。かつ、消化するのもひと苦労である。しかし、一度あの味を味わうと忘れられなくなる。また食したいという欲望を刺激させずにはいられない。宮谷作品とは危険な中毒を起こす劇薬なのだ。取り扱いに注意を要する。この刺激を求める人たちは、己が狂ってることを自覚すべし。
2012/07/16