レビュー一覧
クシアラータの覇王シリーズ
全1件
高瀬美恵さんの小説は、本作、破壊筆シリーズ、魔女の戴冠シリーズを順に読みましたが、本作のインパクトが一番印象に残っています。
内容は人間と魔族が争いあっている世界で、人間に裏切られた人間の幼い王女様が魔族に拾われて復讐を誓うといった王道ストーリーです。設定自体は王道ストーリーなのに、読後感はほかの作家さんとかぶらないのが本作のすごいところだと思います。
登場人物が大河並に多いのですが、それぞれにバラエティ豊かでキャラも充分立っているけれど、その行動理由は気まぐれだったり状況に流されたためだったりで、確固たる信念を貫いたりはあんまりしないところが人間くさくて愛着がもてるのかもしれません。
戦国ストーリーが主軸にあり、それぞれの日常をコミカルに描きつつ、人生の悲哀にも時折光が当たるので戦争ものは苦手だという人もすらすら読めると思います。主人公の王女さまも業の深い半生を送ってきたのにストーリーの中ではあっけらかんとした態度で笑いを誘ったり、そうかと思うとどっぷりくらい一面を浮き上がらせたりしてしていて、目が離せません。デビュー作品である本作が、高瀬さんの文体の中で一番、そういった高瀬さんらしいキャラの厚みが出ている気がします。
長い作品ですが、時代の奔流のなかで、それぞれの立場や行動の波紋が絡みあい、不条理に泣いたり乗り越えたりする様が細かく描かれています。
古い作品なので全巻入手するのは大変かもしれませんが、是非最初から最後まで読んでいただきたいです。
2012/12/08
高瀬美恵さんの小説は、本作、破壊筆シリーズ、魔女の戴冠シリーズを順に読みましたが、本作のインパクトが一番印象に残っています。
内容は人間と魔族が争いあっている世界で、人間に裏切られた人間の幼い王女様が魔族に拾われて復讐を誓うといった王道ストーリーです。設定自体は王道ストーリーなのに、読後感はほかの作家さんとかぶらないのが本作のすごいところだと思います。
登場人物が大河並に多いのですが、それぞれにバラエティ豊かでキャラも充分立っているけれど、その行動理由は気まぐれだったり状況に流されたためだったりで、確固たる信念を貫いたりはあんまりしないところが人間くさくて愛着がもてるのかもしれません。
戦国ストーリーが主軸にあり、それぞれの日常をコミカルに描きつつ、人生の悲哀にも時折光が当たるので戦争ものは苦手だという人もすらすら読めると思います。主人公の王女さまも業の深い半生を送ってきたのにストーリーの中ではあっけらかんとした態度で笑いを誘ったり、そうかと思うとどっぷりくらい一面を浮き上がらせたりしてしていて、目が離せません。デビュー作品である本作が、高瀬さんの文体の中で一番、そういった高瀬さんらしいキャラの厚みが出ている気がします。
長い作品ですが、時代の奔流のなかで、それぞれの立場や行動の波紋が絡みあい、不条理に泣いたり乗り越えたりする様が細かく描かれています。
古い作品なので全巻入手するのは大変かもしれませんが、是非最初から最後まで読んでいただきたいです。
2012/12/08