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三代の天皇と私

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本の読み方

張赫宙の「秘苑の花」を御徒町の上野書店で購入した時に「三代の天皇と私」に書かれている内容とそっくりな記述があるので「秘苑の花」で書かれている事は事実なのだな、と思った。今から思うと伊都子妃が「秘苑の花」を持っていたのか、それとも版元の講談社は同じ昭和50年に張赫宙(野口赫宙)の自伝的小説「嵐の詩」を出していて、彼と昵懇だった編集者がいたので張赫宙から「秘苑の花」を借りたのか、あるいは講談社の蔵書に「秘苑の花」があったかして「三代の天皇と私」を刊行する際に参照にしたか、手っ取り早く言えば下敷きにしたように思えてくる。
 王女の方子女王の「流れのままに」(旧題「動乱の中の王妃」、「すぎた歳月」)と「歳月よ王朝よ」も「秘苑の花」を読んでおかないと分からない面がある。
 「近代皇族妃のファッション」に伊都子妃が取り上げていて、写真と「三代の天皇と私」の引用が一緒に掲載されているが、訪欧時に実際に佩用していたのは勲二等宝冠章なのに「三代の天皇と私」には勲一等宝冠章と書いているので記憶違いに基づく記述がある。
 「三代の天皇と私」には王女の規子女王と山階宮武彦王との間の婚約と破談に至る記述があるが、「山階宮三代」と矛盾する個所がある。もっとも、どちらも何か隠しているような感じがするが。

2021/06/15