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弥勒信仰 もう一つの浄土信仰

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弥勒の浄土から弥陀の浄土へ

日本で「浄土」といえば阿弥陀如来の西方浄土を思い浮かべる方がほとんどだろう。しかしかつては弥勒菩薩の上生・下生思想(釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒が下天する)から生まれた弥勒の浄土信仰が存在した。
本書ではインドで発生し中国・朝鮮から日本に弥勒信仰が伝わったか、いかなる変遷を経て、法然・親鸞の阿弥陀信仰に取って代わられたかが手堅くまとめられている。
現代の信仰についてはまとめられていないが、その点は著者も述べるように宮田登著『ミロク信仰の研究』などでカバーできる。
厭離穢土(現世否定)とは異なる現世肯定を説いた弥勒信仰の魅力を堪能してほしい。

2024/02/26