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一言芳談

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死を見つめて

現代人は生を中心として物事を捉えていたのに対し、中世の人々は死を中心に物事を捉えていたのかもしれません。それは死が身近であり、いかに死ぬか(往生するか)は重要事でした。
そして学識も修行も必要なく一心に念仏を唱えることで往生できるという専修念仏の教えはどれほど当時の人々の救いになったでしょう。私の家は真言宗ですが、本作の言葉は心に響いてきましたし、自宗を見直すきっかけになりました。
さて2019年から始まった新型コロナ感染症で現代人も再び死が身近になったように感じます。いま一度、生と死を焦点とした楕円思考(末木剛博著『東洋の合理思想』参照)で物事を捉え直す時期に来ているのかもしれません。なぜなら現代人も「死」を避けられないのですから。

2023/01/06