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インド人の論理学 -問答法から帰納法へ

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インド人の討論術

一般に「東洋人は西洋人に比べ合理的な思考が不得意だ」といわれます。しかし『ミリンダ王の問い』において僧侶ナーガセーナはミリンダ王は堂々と議論を行いました。これはインドにおいて多くの知識人(沙門)たちが議論をくり返し技術を磨いたことと無関係ではないでしょう。
前半部ではインドの討論のルールが記されており、現在でも納得できる点があります。と同時にインドでは目的志向の論理学であったためか、西洋ほど高度な記号論理学は発展しなかったといえるかもしれません。
最後によく「日本人は議論が下手だ」といわれます。場合によっては「日本語は非合理的な言語だから」と筋違いな指摘がなされます。
しかし先人たちが否定してきたように日本語はけっして非合理的な言語ではありませんし、単純に相手(主に欧米)のやり方を知らない、そして何よりも議論に慣れていないことが大きいでしょう。およそ1800年前にミランダ王と討論したナーガセーナのように我々自身インドの論理学そして問答法を学ぶべきと考えます。

2023/11/09