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ファウスト 悲劇第二部

全1件

読みやすく格調高い翻訳

ゲーテの『ファウスト』の翻訳は多数存在します。一冊だけ選べといわれたら手塚訳を選びます。
さて翻訳に求められるのは正確さ、それに原文が持つ雰囲気が日本後で再現されているかということでしょう。そして多くの場合、前者が重視され後者はおざなりになっていることが少なくありません。とくに文学作品を味わう場合、「日本語で読める」ことが最優先といっていいでしょう。あまたの翻訳の中でも手塚訳は正確さと日本語としての美しさを兼ね備えた例外といっても過言ではないかと思います。
もちろん翻訳の最終版が1974年ですから、およそ半世紀を得ました。しかし古さを感じる部分はあっても、けっして古臭くはなっていないと感じます。

2022/01/06