『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスの、宗教哲学・倫理思想を知るうえで最も読者に愛された名作。「引退した老悪魔が、人間を誘惑する若い悪魔にほどこした助言」とは？　解説＝山形和美

世界に例のない米志向と肉を禁忌とする日本の食文化には、どのような歴史が潜んでいるのか。古代から近代に至る日本人の食の実態と差別の構造を解明する。解説＝三浦佑之

学問の領域を越え、人間存在の何たるかを考察する。現代の実利主義的世界の中で、失われた経験を取り戻し、「精神」と「経験」を蘇らせることを希求した記念碑的著作。解説＝武藤武美

絵図・絵巻物の分析・読解をとおして、中世の人々の行為、親子・社会の諸関係とその意味、思想・信仰とその特質など多様な側面を浮かび上がらせ、歴史のイメージに変革を迫る名著。

身体と宇宙のアナロジカルな対比、そして大地を一つの巨大な生命体とみなす風水の思想 ---トポス（場所）という視点から、中国人の精緻な世界観の深奥に迫る。解説＝吉川忠夫

つるはしを手にした労働者、銃をとる女たち… ウィーン48年革命を、無名の民衆の血のかよう歴史の現場としてあざやかに再現した、社会史の傑作。解説＝相良匡俊

国際的商人にして年代記作者--- その栄光と挫折の生涯をたどり、都市文化を担った十四世紀イタリア商人のメンタリティ・家族観・世界観を再現する。解説＝徳橋曜