pinkcobra3さんのページ
レビュー
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【訳あり品特価】ワイルド7 1970-71 コンクリート・ゲリラ [生原稿ver.](30%OFF)
生原稿ver.を読んでよかった。
このコンクリート・ゲリラ編については、これまでに発刊されてきた色々な版型の単行本で幾度となく読んできた。ストーリーの巧みさと世界・チャーシューの死や新キャラクター:ユキの登場などのイベントで特徴付けられた一編ではあったが、私にとってはワイルド7の各編の中で上位に位置づけられる話ではなかった。
ところがどうだ! この生原稿ver.を読んでコンクリート・ゲリラ編に対する私の評価が一変した。こんなに面白い話だったのかと驚嘆した。何が評価を変えたのかというと、初めて見たカラー頁の絵のすばらしさや大型版型になったお陰で知ることになったディテールと頁いっぱいに広がる構図の迫力などである。これは、生原稿ver.であるからこそ得られたものである。
かなり長い間コンクリート・ゲリラ編を読んでいなかった。その間に重ねた経験や得た知識がこの一編をより深く理解する手助けになったことも、この感想と評価の変化に寄与したであろう。しかし、この一編を再び読む機会を与えてくれたのは生原稿ver.の出版である。貴重な文化の宝を復刊して戴いたことに感謝している。(2022/08/04) -
ワイルド7 1973-74 地獄の神話 [生原稿ver.] 上
貴重な書籍
ワイルド7 地獄の神話 [生原稿ver.]を読んでまず感じるのは、このワイルド7という作品はこれくらいの判型以上の大きさの本で読んでこそ、その迫力や絵の精緻を極めた細部を味わえるということである。望月先生の絵は、まず全体を捉えてその雰囲気を味わった後に部分をじっくりと調べてバイク・自動車・飛行機・銃火器・重火器などをチェックしたりギャグを発見して楽しむのが、その正しい鑑賞法と言える。ただストーリーを追うだけでは勿体ない。したがって、この判型で出版された復刊ドットコムの慧眼に感服するとともにこれを祝したい。担当者の方は解っていらっしゃる。
惜しむらくは連載時の扉絵が縮小版でしか掲載されていないことだ。原稿のあるものだけでも、大きな絵で見せて欲しかった。
本の内容については、これまで様々な出版形式版で何度も読んだので、特に今回の書籍の読後に述べるまでもない。そのストーリーの素晴らしさは読んだ人には明らかであろう。
この度の出版物は、物理的書籍として貴重な品である。全宇宙で限定部数。今後いつ重版が発行されるかわからない。手に入れて置かないと後悔するブツである。(2018/03/20)
復刊リクエスト投票
ブラックジャック単行本未収録の「快楽の座」「金、金、金」「壁」「訪れた思い出」「不死鳥」「落下物」「植物人間」
【著者】手塚治虫
今、作者の故手塚先生の御意見は聞くべくもないが、この話を制作・掲載した意図からすれば、世に問いたい作品であったはず。彼の著作姿勢を考えれば、特定の個人を攻撃したり、偏った考えを示そうとしていないのは明らか。
人類の遺産ともいうべき作品は公開されてよいと考える。(2018/02/11)