前著『世親の浄土論と瑜伽行唯識』に引き続き、世親の『浄土論』を瑜伽行唯識の研究に対象を特化して研究する。今回は『願生偈』の「世尊我一心」の「一心」について、『摂大乗論』の用法に基づいて唯識思想固有の「一心」と捉え、新たに発見されたラツナーカラの『般若波羅蜜多論』梵文テキストによりその本質を究明する。また、曽我量深の「法藏菩薩＝阿摩羅識」説についても、その出典に基づいて瑜伽行唯識説の立場から解明する。

▼目次
序論
第一章　『浄土論』は瑜伽行派の著書である
第二章　瑜伽行唯識説とは
第三章　世親の『無量寿経優波提舎願生偈』の研究
第四章　「一法句者謂清浄句」とは
第五章　瑜伽行派の空思想
第六章　無分別智・後得清浄世間智の世界
第七章　唯識論者と中観論者との対論
第八章　ラトナーカラの『成唯識論解題』
最終章、自利利他円満して「阿耨多羅三藐三菩提」を成就する
跋文
（以上、https://pub.hozokan.co.jp/book/b527605.htmlより）