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| 著者 | 岡崎久彦 |
|---|---|
| 出版社 | 文藝春秋 |
| ジャンル | 実用書 |
| ISBNコード | 9784167362010 |
| 登録日 | 2023/07/28 |
| リクエストNo. | 74857 |
第3回(1981年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞。
筆者はマスコミや大衆の情緒的な無責任な言動を批判し、日本の政策は日本の願望で一方的に決められるものではなく、客観的国際情勢をあくまでも冷静的確に把握することによっておのずから進路が視えてくるのだと説き、日本をめぐる国々の懐深く入り込んだ分析を進めながら、情勢判断の方法や選択肢の整理法を丁寧に解きあかしてくれる。本の表紙がデルフォイの神託なのも、情報を重視せよという筆者の寓意であろう。
となると、どうしても専門家、エリート偏重にならざるを得ないし、筆者も戦前の英米派がエリートを支柱としていたことを想起しながら、エリート主義の衰退に危倶の念を表明するが、それだけではただの郷愁(ノスタルジア)になってしまう。筆者はそれにかわって、誰も彼もが昔の屈辱も誇りも忘れて中流意識に浸り切っている現代日本の「恩讐の彼方の社会」――一すなわち彼が嫌悪した「戦後民主主義の跳梁」の挙句にでき上った我がままな市民社会の成熟と平衡感覚に、日本の将来の希望を託そうとしている。
かくも柔軟に悪びれずに情勢の変化に対応する筆者の堂々たる「現実主義」こそが、この好著に一貫する主題だといってよいだろう。
筆者はマスコミや大衆の情緒的な無責任な言動を批判し、日本の政策は日本の願望で一方的に決められるものではなく、客観的国際情勢をあくまでも冷静的確に把握することによっておのずから進路が視えてくるのだと説き、日本をめぐる国々の懐深く入り込んだ分析を進めながら、情勢判断の方法や選択肢の整理法を丁寧に解きあかしてくれる。本の表紙がデルフォイの神託なのも、情報を重視せよという筆者の寓意であろう。
となると、どうしても専門家、エリート偏重にならざるを得ないし、筆者も戦前の英米派がエリートを支柱としていたことを想起しながら、エリート主義の衰退に危倶の念を表明するが、それだけではただの郷愁(ノスタルジア)になってしまう。筆者はそれにかわって、誰も彼もが昔の屈辱も誇りも忘れて中流意識に浸り切っている現代日本の「恩讐の彼方の社会」――一すなわち彼が嫌悪した「戦後民主主義の跳梁」の挙句にでき上った我がままな市民社会の成熟と平衡感覚に、日本の将来の希望を託そうとしている。
かくも柔軟に悪びれずに情勢の変化に対応する筆者の堂々たる「現実主義」こそが、この好著に一貫する主題だといってよいだろう。
投票コメント (全1件)
2023/07/28
2023/07/28