チベット仏教の四大宗派の1つ“カーギュ派”の宗祖マルパの弟子で
“詩聖”と仰がれる偉大なヨギー・ミラレパの伝記。


【目次】
序　―　日本の読者へ　ダライ・ラマ
訳編者序

第一の巻　――　無明の道

第Ⅰ章　――　家系と誕生
第Ⅱ章　――　惨苦
第Ⅲ章　――　黒魔術の修行

第二の巻　――　光明の道

第Ⅳ章　――　聖なるダルマの希求
第Ⅴ章　――　試練と苦行
第Ⅵ章　――　奥義伝授
第Ⅶ章　――　グルの導き
第Ⅷ章　――　グルからの出離
第Ⅸ章　――　放棄
第Ⅹ章　――　寂静の地での瞑想
第Ⅵ章　――　修行の地と有情の済度
第Ⅶ章　――　ニルヴァーナ

付記
奥付
訳編者あとがき


以下、出版社の書籍紹介文。

＞　　　　　　『チベットの死者の書』の訳者が
＞　　　再び世に送るチベットの偉大なヨギーの伝記
＞　
＞　遺産を収奪した身内への憎悪から黒魔術を修得し復讐を遂
＞　げたミラレパは、その悪業浄化のために過酷な試練に耐え
＞　ねばならなかった。雪嶺の窟にこもり蕁草だけを常食とし
＞　て不断に瞑想に専念した彼は、あたかも緑色の骸骨と化し
＞　ていった……。
＞　無明から光明の道へ、チベットタントラ密教の法統に燦然と
＞　輝く詩聖ミラレパが辿った魂の軌跡を鮮烈に描いた名篇。


以下、本書の再刊にあたり瀬戸内寂聴氏が寄稿した言葉。

＞　　瞑想の至福のために　――　瀬戸内寂聴
＞　
＞　おおえまさのり氏訳編「ミラレパ」を初めて呼んだときの
＞　感動は電撃的であった。チベットの最も偉大な光として、
＞　チベット人たちに愛され続けている聖者ミラレパの言葉の、
＞　現代的な響きにも衝撃を受けた。
＞　この混迷汚濁の世の中に、ミラレパの言葉は清冽な泉のよ
＞　うに湧き出たところから八方に拡がっていく。
＞　装を改めてこの書がいま世に出るのは、無限の未来を抱え
＞　た若い人々に瞑想の至福を贈るためであろう。