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著者 | 岡 並木 |
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出版社 | 岩波新書 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784004201557 |
登録日 | 2001/07/18 |
リクエストNo. | 4855 |
リクエスト内容
「都市と交通」は、総合交通を主題として20年以上も前に著された本ですが、今日の社会においても、その主張の重要性は色あせることがありません。その意義は、3つのポイントに集約されます。
1つは「移動の連続性」の重視。自動車が移動の手段として過剰に利用されているのは、その DOOR TO DOOR の連続性が高いためです。自動車の過剰利用を回避するためには、自転車やバスなど軌道系の公共交通なども個々に評価するのではなく、出発点から目的地までを一つの行程(トリップ)としてその連続性を考える必要があります。
2つ目は「移動の人間性」という視点。連続性を考える際には、歩行・自転車・公共交通機関・自動車という順位で交通モードを優先するべきと考えられています。しかしその本質は、各々の手段のユーザー、つまり移動する人間にとって、人間らしい(ニューマニスティック)移動とは何かを考え、柔軟に行動することが可能な環境整備をすることが大切です。
3つ目は「移動の生活性」、つまり街づくりにおける交通の意味。交通を衣食住から切り離して考えるのではなく、様々な公共交通も活用した都市計画や土地利用を考えるべきだと述べています。
他に、バリアフリー、自転車通行帯、どのように在るものを生かすかという発想や、ヒューマンスケールの都市計画の必要性を主張するなど、非常に先駆的かつ分かりやすい内容。こんな良書を埋もれさせておくのはもったいなくはないでしょうか。ぜひ復刊にご協力ください。
投票コメント
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国土交通省も次のHPを設けています。GOOD!1
「歩行者・自転車のための道路行政」
http://www.mlit.go.jp/road/road/yusen/index.html
「LRTの導入支援」
http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/lrt/lrt_index.html
ヨーロッパでは、中心市街地をトランジット・モールにして再活性化に成功した例が多くあります。
人間性を取り戻すためにも少子高齢化社会に対応するためにも、車中心の考え方を改めましょう。 (2005/03/28) -
1980年代初頭に、今日当たり前になっている、バリアフリーや、LRT、コミュニティーバスの考え方を、横文字を一切使わずに紹介しているところがすごいし、今でも交通やまちづくりに通用する考えがたくさん盛り込まれている。都市交通の教科書的存在だと思う。是非復刊してほしい。 (2004/11/13)GOOD!1
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著者の岡並木さんは評論家。都市の比較や人間の移動についての評論活動を展開しています。朝日新聞の編集委員、武蔵野女子大学教授などを経て、現在、imidasの「交通」カテゴリーでの執筆やフォーラムでの講演などで活躍されています。「都市と交通」は岡さんの代表作で、交通や都市を学ぶものにとって必読の書といわれながら、絶版状態です。GOOD!1
しかし、まちづくりと交通が切り離せないことを知った僕らにとって、こういった本こそ思索の糧となるものではないかと思います。 (2001/07/18) -
宇沢弘文「自動車の社会的費用」と並ぶ交通論の名著が、なぜ廃刊なの? (2002/09/13)GOOD!0
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興味があるから (2002/04/21)GOOD!0
読後レビュー
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オール オア サムシングで行こう!
35年前の出されたものだけに、今日では克服済みと思われる事柄も紹介されている。しかし、本書の価値は上っ面の解決ではなく、その内側にあるマインドの大切さを繰り返し訴えている点にある。オール オア ナッシングではなくオール オア サムシングという選択があるではないか、「空虚なオールより心のこもったサムシングが大切である」とする著者の主張はとても魅力的で説得力がある。
都市交通は近代に限定したとしても何百年という歴史がある。今ある施設や施策もやがては古いもの、克服すべきものになっていく。そして、新たな対策が求められる。その繰り返しが歴史ということだ。そのことに気づかされたとき、著者のしなやかで息の長い思考、そこから生み出されるバランスの取れたあたたかい主張が、議論の古さを忘れさせてくれる。ときにマニアックなまでになされる実地の調査も微笑ましく、その主張を裏付ける役に立っている。
カーシェアリング、自転車事故の増加、自動車の自動運転技術などの今日的課題を考える上でも有用であり、多くの方々に読んでいただきたい一冊だ。 (2016/02/25)
NEWS
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2001/07/18
『「都市と交通」』(岡 並木)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
復刊リクエスト投票であなたの思いを形にしましょう!
寝太郎