イタリアはナポリ。主人公ファビオ・ロマニは親から莫大な遺産を受け継いだ貴族。その遺産で書と友に囲まれて暮らしていたが、生神女就寝祭の日、就寝祭に参加していた修道女ニーナにあい一目ぼれする。

やがて二人は結婚するが、主人公はコレラに罹り死亡、埋葬される。その後、墓穴で仮死状態から蘇生するが、頭髪は白くなり、顔もしわだらけになっていた。

それでも、喜び勇み我が家へ戻るが、そこで見た光景は、妻と親友ギドー・フェラリの不義密通の場面だった。

二人の会話から、不倫の関係が結婚生活時から続いていたことが明らかになり、この裏切りに対して主人公は妻と親友に復讐を決意する。

黒岩涙香の「白髪鬼」、そして江戸川乱歩の「白髪鬼」の原案となった古典的名著。

平井呈一/訳