【内容】

堅苦しい訓古の学を超越した自由無碍の立場で、中国古典を眺め、
東洋と西洋のこの異質な哲学をみごとに一編の詩語に翻訳した箴言集。
「老成人の感情しか湛えていないと思っていた中国文学の泉から、
かくも清冽な水」（奥野信太郎著『詠物女情』）を汲み上げ、
「東洋にもこのような素晴らしい思想があることを、日本人の手で発掘したぞ、
という内外に向かっての宣言」（宮崎市定著『東風西雅』）である本書は、
正に東洋における福音書である。


【目次】

現実的世界の道義

愛と知について―『論語』から
自由と正義について―『孟子』から

理想的世界の思惟

真理について―『老子』から
精神について―『荘子』から

上代中国の典型的精神

道義的世界について―『書経』から
人間的世界について―『詩経』から