社会福祉施設を建設しようとすると、そこの地域住民から強い反対運動が生じて深刻なコンフリクト(紛争事態)に陥ることが多い。施設やそれを受け入れる地域住民は、コンフリクトをどのように克服し、新しい施設―地域関係を作り上げていけばよいのか。本書の著者たちは、埼玉県と横浜市で生じたいくつかのコンフリクトを、関係者へのインタビューや調査によってくわしく取材した。そして、新しい視点を導入しながら、コンフリクト解決の方向性と新しい福祉コミュニティのあり方を提言する。

【目次】
第1章 社会福祉施設‐地域社会コンフリクト研究の意義と枠組
第2章 社会福祉施設の建設と地域社会―施設建設動向にみる埼玉県および横浜市の位置づけ
第3章 施設‐地域コンフリクトの発生と展開―埼玉県および横浜市におけるコンフリクト事例の分析
第4章 施設‐地域コンフリクトの現代的意義―ポスト「施設社会化」時代の社会福祉施設