【内容】

「生命科学」は、１９７０年代に
日本で提唱された学問の新領域である。
物理科学を基盤に生命現象の本質を追究しつつ、
人文・社会科学諸部門との協調のなかで、
人間がその生を全うし得る社会の建設を目的とする。
環境汚染や医の倫理の乱れなど
人間をとりまく状況が混迷を深めゆく今日、
生命科学の提起した課題はますますその比重を増しつつある。
本書は「生命科学」の全貌を見渡す絶好の入門書である。


【目次】

生命科学とは

人間科学の中での生命科学の位置づけ
生命科学研究の現状

生命科学の誕生

学問的背景
社会的背景―生活する人間からの要求

生命科学の課題

生命科学と技術
生命科学の進展による倫理・価値観の変化
新しい人間科学


【著者】

1936年東京都生まれ。
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。
国立予防衛生研究所、三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、
早稲田大学人間科学部教授を経て、現在、生命誌研究館副館長。
著書に『生命誌の扉をひらく』『自己創出する生命』
『生命のストラテジー』『女性のための生命科学』など。