骨董-- この美しくも楽しい宝物と永年つき合ってきた著名な竹芸作家が、巷で見聞した骨董と人間が織りなす曼陀羅模様を、味わい深い筆致で綴った好短篇集。


■骨董巷談 古美術をめぐる恋と欲の物語

■骨董巷談 其の2
天王寺の廐／茶人と差科／茶杓という小さなくせもの／油小路の宿／恋茶碗／老画伯の恋人／地獄絵巻／彰義隊になり損った祖父の話／私の愛馬、文右号の想い出／佐野繁次郎と佐伯祐三／本を出した話／泉下ニ故人多シ／陶芸パチンコ談

■骨董巷談 其の3
うたかたの夢（織部の文様／古田織部と小堀遠州の台所／松平不昧公の台所／本阿弥光悦行状記余録 ほか）
野水庵物語（松花堂好みの灰匙／茶道具屋誕生／大正時代の茶道界／茶道本山 ほか）

■骨董巷談 其の4 織部の足跡を追う
織部の足跡を追う（武蔵の国の織部／織部と私／新織部論 ほか）
高麗茶碗物語（本当の高麗茶碗／利休後の茶の湯の好み／名器好みの大名の茶 ほか）
茶碗零れ話（無地赤絵- 茶人の修辞感覚／茶陶はやきものの鬼っ子／疋田筒の凹みと高麗茶碗の重さ ほか）

■骨董巷談 其の5 茶道具拝見
水屋壷／青磁竜透文硯屏／青磁酒会之壷／茶があるという事- 茶の湯は知的遊戯／贋物時代／六十の手習い- 書の美に惹かれて／お床拝見- 和漢朗詠集切／枝頭第二の花- 松花堂の手紙をめぐって／表具の楽しさ／更紗随想／嵯峨棗雑考／茶のすすめ／利休ひととせ篭の花入れを尋ねて／茶杓の名跡／茶杓の真贋／外箱拝見／窯場にて- どこが美しいか？／客は三遊亭円生／陶器に料理を／織部のやきもの／織部所持「生爪」伊賀花入／李朝と薩摩芋／聖餅箱- キリシタン時代の工芸品／南蛮幻想／古筆了全の歳暮

■骨董巷談 其の6 徽宗皇帝の配流に想う
茶杓濫觴私記／判らぬことばかり／長谷寺浅春／徽宗皇帝の配流に想う／蒔絵流転／道具屋さん今昔／義経の椀／「例の坊主めが」／川開きの茶杓- はじめて茶杓を買った話／瑞籬の香木／清水焼の数茶碗／ぜいたく／掘り出し物語／時代椀のふるさと