聴衆の前で、ドビュッシーの弦楽四重奏曲を演奏中、第2楽章に入ったところで、突然第1バイオリンの奏者が倒れた。青酸中毒死であった。会場をくまなく調べた結果、鍵のかかった小さな楽屋のコップからだけ青酸反応がでた。他に毒物はみつからない。犯人と被害者はいかにしてこの楽屋に出入りできたのか?―前2作ですでにおなじみとなった白河警視とその甥の結城鉄平の名コンビがこの事件に挑戦するが、謎は次第に混迷の度を深めてゆく…。奇怪な殺人事件の驚くべき謎―出色の本格推理小説。　（「BOOK」データベースより）