最新型の自動車だからといって、必ずしも最良でないのと同様に、何十年も以前の車がすべて価値あるものとは限らない。ブドウの収穫年によってワインの格がちがうように、クラシックカーも、生まれた年代と背景によって価値付けされる。車の個性は乗る人を御することさえある。また、乗る人の個性によって名車に育て上げることができる。

写真家であり、録音技師としても活躍されている石河利之（いしこ　としゆき）氏による名車案内。ロールス・ロイス社をはじめとするクラシックカーの歴史をたどり、その尽きせぬ魅力を語る。写真も著者自身が手がけ、資料的価値も高い。また、建築家の清家清（せいけ　きよし）氏が寄せたテキストも興味深い。平凡社カラー新書28として1975年出版。144頁、定価は550円。

登録者の評価★★★★★★★★★★

【目次】

◇カラー版8頁：懐かしき時のひびき

■新車よ奢るなかれ－古典車有用論（清家清）
古自動車がのさばると…　いちばん自動車らしい自動車　ミイラ的保存法

◇カラー版8頁：シルバー・ゴースト

■不滅の名車シルバー・ゴースト
１万５千マイル走破の記録　高い精度の秘密　そして経済性　ロールス・ロイスの創立者たち　世界最高の車　アラビアのロレンス

◇カラー版32頁：クラシックカー100撰
パイオニア　ヴェテラン　モンスター　ヴィンテージ　ラグジュアリー　大衆車　ジャイアント　レーシング　スーパークラシック

■クラシックカーの50年
パイオニアたち　ガソリンエンジン登場　ヴェテラン　悪路を走る王様　レーシングカー　ラグジュアリー　モンスター　ヴィンテージ（スポーティングカー／スポーツカー）　スポーツカーの黄金時代　小型スポーツカー　大衆車　ジャイアント　スーパー・アンド・リッチ

■生きているヴィンテージ
本物たちの音　伝統のヒルクライム・レース　車と人の交歓

◇カラー版16頁：競いあう麗姿
ヒルクライム　レーシング　ラリー　マスコット　パーツ

■ラジエーターグリルとマスコット
ヴィンテージの時代　幸運を招く女神たち　はばたくマスコットたち　地を駆けるマスコット

■コラム：JUNK　BOX

■世界のクラシックカー博物館ガイド