冬枯れの景色にひとり彩りを添える日本原産の花、椿は万葉集にも詠われ、庭木、鉢植え、茶花として古来から親しまれてきた。また、ヨーロッパでも19世紀に一大ブームを巻き起こし、今では世界中に愛好家が増え、作り出された品種も数知れない。

古典的名花から最新作まで代表的品種と初心者向けの栽培法を紹介する。著者をはじめ、尾川武雄、牧野光六、大岡徳治、富成忠夫、川村赳夫、牛尾喜道氏による写真も充実しており、眺めるだけでも愉しい。平凡社カラー新書135として1980年出版。152頁、価格は700円。

登録者の評価★★★★★★★★★★

【目次】

◇カラー版8頁：日本の花：椿

■椿と人間模様（富田達彦）
椿とは白い花か？　「椿姫」マルグリット　「白痴」の椿騒動　アメリカ人と椿　中国人と椿　園芸椿ブーム　百椿か？千椿か？　芸術と椿　新花ブームの心理　観賞眼の拙さ　実生の楽しさ

◇カラー版56頁：名椿202種～野性種・日本の園芸種・変型種・外国園芸種・山茶花・春山茶花

■椿の文化史（仲山訥郎）
万葉集の椿　山野から我が庭へ－武家と椿　江戸・染井村　江戸庶民にも椿狂者　明治から現代の椿

■椿の仲間たち（富田達彦）

■椿花分類史（仲村訥郎）現在の花形分類の基準

■椿の栽培（仲村訥郎）
椿を植える前に　環境づくり　椿樹を決める　植え方　管理　病虫害　繁殖　鉢栽培

■江戸時代主要品種一覧表・索引