なぜ、最近日本茶があまり飲まれなくなったのでしょう。日常茶飯の言葉通り、茶は日本人の暮らしそのものであったはずです。今日では安物の代名詞になった番茶も、昔は40余種もある、変化に富んだ暮しの茶でした。今回、この本にお茶をおいしく飲むための良い水や、湯加減、急須、茶碗、保存法を書いたのも、もう一度、暮しの茶、常茶を取り戻したいからです。

煎茶研究家の著者が、日本茶の歴史をはじめ、おいしい淹れ方などを説いた書です。写真は牛尾喜道氏と道岸勝一が担当していますが、そのなかには、今は亡き噺家、三遊亭円生の茶を飲む姿が捉えられており、貴重なものとなっています。平凡社カラー新書26として1975年出版。143頁、定価は550円。

登録者の評価★★★★★★★★☆☆

【目次】

◇カラー版8頁：茶の表情～三遊亭円生

■常茶のすすめ
紬の味の茶　人と自然の組み合わせ　常茶のすすめ

◇カラー版16頁：茶の風土・製法・産地・種類

■茶の姿－製法さまざま　産地による違い

■茶味探求－その1
水　温度　茶碗　葉の量　保存法

◇カラー版16頁：水・温度・器・保存・番茶・煎茶

■茶味探求－その2
番茶の飲み方　玉露の飲み方　煎茶の飲み方　文人茶の世界　茶に合う菓子　中国茶の飲み方

◇カラー版24頁：愉しむ茶～趣味として
急須と茶碗　茶箱のレッテル　九州嬉野の釜炒り茶

■常茶のふるさと

■茶の科学（阿部英一）

■コラム：茶飲み話