「長安の春」で名高い陝西省西安市は、周、秦、漢、隋、唐など、実に十一の王朝が都した中国第一の歴史都市である。いま平安京の発掘調査をしながら考えることは、私も含め、古代から日本人がいかに彼の地に憧れていたかということだ。西安の多くの友人から得た情報をもとに、私自身の眼で見た古都西安と、あわせて東都洛陽を紹介したい。

考古学者の著者が綴る中国を代表する都市、西安の歴史紀行。写真は著者をはじめ、登健吾、原弘文氏が手がけており、資料的価値も高い。西安に関する研究が進んだ現在においても有用な書籍です。平凡社カラー新書117として1979年出版。144頁、定価は550円。

登録者の評価★★★★★★★★★☆

【目次】

◇カラー版8頁：西安の街角から

■西安の街角から
鐘楼に登れば　歴史の街・西安　わたしの中の西安

◇カラー版16頁：沃野千里、天府の国
半坡遺跡　始皇帝陵　阿房宮址　漢城遺跡　茂陵

■秦始皇帝陵への道
黄土に育まれた文明　始皇帝陵と兵馬俑抗　華清池遊覧　阿房宮址へ

■沃野千里、天府の国
関中平野　漢の長安城遺跡で　渭北の漢陵　茂陵とその周辺

◇カラー版32頁：花ひらく長安
大明宮址　華清池　興慶宮址　大雁塔　小雁塔　華厳寺　香積寺　興教寺　昭陵　乾陵

■花ひらく長安
唐の都・長安　大明宮と興慶宮　仏塔と寺院と　終南山麓の寺々

■唐の陵墓を訪ねて
北嶺の唐陵　昭陵　乾陵

■西安余聞
友好交流の先達たち　碑林にて

◇カラー版8頁：東都洛陽
光武帝陵　孝文帝陵　龍門石窟

■東都洛陽
九朝の古都　洛陽の史跡　龍門石窟