軽飛行機は軍用機や旅客機と違って、性能上の要求がそれほど厳しいものではないから、誰が設計しても一応飛ぶものはできる。しかし、よい軽飛行機を創るには、外形、構造、装備、全てにわたって、思いきった簡略化、実用性、洗練度が要求される。多年の経験と抜群の生産量を誇るセスナやパイパーが、ますます他を圧倒する秘密はここにある。

航空工学博士、木村秀政氏による軽飛行機案内。30年前の書籍であるため、本書の刊行以降に造られた飛行機は載っていない。しかし木村氏の卓見にみちたテキストと瀬尾央氏による資料的にも貴重な写真の素晴らしさはそれを補って余りある。平凡社カラー新書54として1976年出版。144頁、定価は550円。

オーナー評価★★★★★★★★★☆

【目次】

◇カラー版8頁：大空へのあこがれ

■軽飛行機の世界（木村秀政）
総数30万機の分類　小型機・般用機・軽飛行機　般用機開発の技術

◇カラー版32頁：世界の軽飛行機63撰

■軽飛行機の歴史
がんばれパイロット　冒険家ペグー　バーンストーマーの功績　軽飛行機の始祖、デハビランド・モス　般用機近代化の旗手、コードロン　アメリカ軽飛行機の始祖、カブの登場　スピード探求　今日の般用機

◇カラー版16頁：自由な翼を求めて

■世界の自家用機－セスナ172（梅田克彦）
生活の中の軽飛行機　創立者クライド・セスナ　日本におけるセスナ機　女性の功績　セスナ172登場　コスト低減の秘密　ビーチとパイパー

◇カラー版8頁：リノ・エアレース

■エアレース案内

■大空へのパスポート（平沢正夫）

■コラム：SOLO FLIGHT