最近のアメリカ航空界は、調子づいた強打者のように、つぎつぎにクリーンヒットをかっとばす。とくにF14に始まり、F15、F16、F17と続く戦闘機シリーズなど、観る者を感動させるほどの傑作揃いである。このアメリカ航空界の底知れぬ実力はどうして養われ、どうして維持されているのか、その秘密を探ってみたい。

航空工学博士、木村秀政氏による軍用機案内。30年前の書籍であるため、本書の刊行以降に造られた飛行機は載っていない。しかし木村氏の卓見にみちたテキストと島内英佑・瀬尾央・桑原史成・土橋和夫氏による資料的にも貴重な写真の素晴らしさはそれを補って余りある。平凡社カラー新書16として1975年出版。152頁、定価は550円。

登録者の評価★★★★★★★☆☆☆

【目次】

◇カラー版8頁：闘鳥の飛形

■アメリカの航空工業はなぜ世界一になったか（木村秀政）
絶対優位のアメリカ　新航路の開拓と航空輸送の発達　航空技術の近代化　NACAの役割　金の障壁

◇カラー版48頁：アメリカの軍用機52機

■アメリカの軍用機－その発達の歴史と現状（木村秀政）
世界最初の軍用機　傑作機ジェニー　第一次世界大戦に参戦　低迷から近代化へ　第二次世界大戦における強さ　ジェット機が軍用機を変えた

◇カラー版8頁：スーパー原子力攻撃空母エンタープライズの全容（小山内宏）

■空母エンタープライズの全容

大きな体に細かい神経　艦載機は最新鋭　艦橋－巨大な人口頭脳部

■戦闘機の装備（鳥養鶴雄）

■空かける戦士－パイロット物語（石川貫之）

■コラム：軍用機の見分け方