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著者 | 奥崎 謙三 |
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出版社 | 新泉社 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784787787187 |
登録日 | 2005/08/25 |
リクエストNo. | 30425 |
リクエスト内容
原一男の伝説的ドキュメンタリー映画「ゆきゆきて神軍」において、過剰なまでのエネルギーを発散させながら第二次大戦における部下の射殺事件や人肉食の責任追及していきながらも、ついには撮影期間中に上官の息子を射殺し逮捕されるというエンディングで一躍日本中の話題をさらった奥崎謙三の「ゆきゆきて」以前の著作が本書である。著者が映画の中で「天皇にぃぃ!!パチンコを打ってぇぇ!!」としきりに叫んでいた事件の詳細が本書には描かれている。
一度目にした者ならば絶対に忘れることを許されない著者のエネルギーは、到底一本の映画などに収まりきるものではなく、本書を含めた一連の著作(大半が絶版)や、彼の家の外壁や車の車体に到るまでその主張を訴える文字で埋め尽くされている。当然本書にしてもタイトル通り一片の陳述書で終わるはずも無く、彼が理想とする全人類の完全な平等社会が実現された「ゴッドワールド」建設に向けた提言が力説されている。
そんな著者を狂人としか見做さない向きも多いであろうが、「根本的な問題を放置しつつ、対症療法ばかりに躍起になる現代社会は、砂上の楼閣である」という彼の主張は全き正論である。その後の説については実現可能性という点から多くの異論もあろうが、狂人の戯言と一笑に付すことが出来ぬパワーがあり、あくまで自己完結の妄想ではないところが本書の揺ぎ無い魅力である。一種のトンデモ本と蔑むことは容易いが、一体正しいこととは何なのか、立派な人間とはどういうものか、正面から本書を読めばこれまでの常識を揺さぶられることは間違いない。
また本書には彼の原動力でもあるニューギニア戦線での壮絶な生き残り体験も描かれている。仲間の大半が死に行く中で生き残ってきた著者は、やはり誰が何と言おうと裕福な現代日本に暮らしている我々には計り知れない物を持っている人なのだということが痛切に伝わってくる文章である。この部分だけでも一級品の戦記物のテキストであり、一読の価値ありと言えるのではないだろうか。
そんな著者も今年6月26日に死去。そのような機に乗ずるというのはあまり誉められた行いではないかと思えるが、復刊されるとすれば今をおいてないであろう。是非とも実現されることを希望する。
投票コメント
全9件
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ドキュメンタリー映画「ゆきゆきて神軍」が現在に至るも伝説的な存在であり、レンタルビデオ店等を通じて見続けられている中で、著者の多くの書籍が絶版という状況は改善されてしかるべきものと思われます。特に本書はその映画の撮影以前に出版されたものであり、代表作とも言える作品だけに是非とも復刊されることを願っています。 (2005/08/25)GOOD!1
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懐かしい。 (2020/09/04)GOOD!0
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読んでみたいです (2010/09/07)GOOD!0
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原一男氏が「ゆきゆきて神軍」を作るきっかけとなった本でありGOOD!0
前から、気になっておったのですが、絶版だとはショックです。
是非、是非復刊をお願いいたします。 (2009/01/13) -
「リクエスト内容」にとにかく共感いたします。GOOD!0
純粋な関心からも、資料的価値からも、ぜひ復刊をお願いします。 (2008/03/28)
読後レビュー
NEWS
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2005/08/25
『ヤマザキ、天皇を撃て―皇居パチンコ事件陳述書』(奥崎 謙三)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
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ウルマス