8 票
著者 | 中勘助 |
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出版社 | 岩波書店 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784003105153 |
登録日 | 2003/10/23 |
リクエストNo. | 20303 |
リクエスト内容
提婆達多は、釈迦族の王子である悉達多(後の仏陀)の従兄弟として生まれた。
悉達多は常に提婆達多に屈辱と渇望をもたらす存在だった。提婆達多は、悉達多に勝ることが出来ない。敗北感は否応なく彼を苛み、悉達多を妬ませ、憎ませる。
ある日、悉達多は出家する。完全なる敗北。提婆達多が追い求める地位も名誉も、美しい妻も、するりと捨ててしまう悉達多。
叶わない、許せない、届かない。
悉達多には、提婆達多と争う気も、勝とうと言う気も、負かそうという気も、さらさら無い。全く眼中に無いのだ。
哀れ・・・としか言いようのない絶望。
提婆達多には、もうひとつの道しか考えられない。悉達多を殺すのだ。。。憎み、妬み、己が想うように想われたいと希う。これは、相反する心を狂おしく燃え立たせ、挑みながらも顧みられることのない提婆達多の物語である。
投票コメント
全8件
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中勘助の詩・犬・島守・銀の匙・蜜蜂・余生は読み終えました。GOOD!1
これらを読んで、中勘助にとても興味が出てきました。
だから、もっと掘り下げて中勘助の、随筆集や母の死、鳥の物語、提婆達多を読みたいです。
好きになったのが遅かったせいで、発刊してないものもあり、残念です。
また、中勘助はあまり知られていなくて、とてもいい作家なのに残念です。
みなさんに中勘助の魅力を伝えるとともに、提婆達多を復刊してほしいです。 (2017/12/25) -
『銀の匙』を読んだ後にこちらを読んで驚いた。銀の匙や詩集の清らかで静的なイメージとは真逆。GOOD!1
執念深く欲の塊、まるで獣。こんないやらしい性質の主人公も珍しい。でも、そのとことん突き抜けた人間らしさが愛おしくもある。
モデルは作者の実兄のようでもあり、作者の中にある性質のようでもあり…作者周辺の人間関係を知って読むとまた面白い。ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思う。 (2017/12/21) -
大学時代に中勘助の存在を知り、この作品を読んでGOOD!1
相当な衝撃を受けました。
文章からあれほどの色香、憎しみ、悲しみ、狂気が
にじみ出ている作家を私は知りません。
読んだ後、某漫画の神様が描いている某名作が薄っぺらく
感じたほどです。
数年前に、どうしても読んで欲しいと思った人に
この本をプレゼントしてしまい、以来ずっと本屋で
探しているのですが全く手に入らない状態に
なってしまいました。復刊を強く希望します。
「提婆達多が救われずば、他の何者が救われるであろうか。」
(間違ってたらごめんなさい)
できれば「犬」「菩提樹の陰」も復刊してくれ~!! (2006/05/21) -
今日,ようやく入手し,そのまま読了.GOOD!1
構成の多少の不備を指摘する声があろうが,提婆達多たる作者,そしてそのまま私たちにとって何ら問題となることではない.
「犬」から中勘助の世界に入ったものとして,この作品が新刊書店に並んでいないのはどうにも納得しがたい.
是非に復刊を願う. (2005/09/24) -
中勘助の文章が大好きです。先日随筆を古本で手に入れて読んでからこの人の生き方に感銘を受けました。他の本も読んでみたいと思いましたが、銀の匙以外の本は手に入りにくい状況です。銀の匙等で中勘助の文章を好きになったものの他に彼の本が手に入らないため読む機会を持てずに残念に思ってらっしゃる方々が私の他にもいらっしゃるのではないでしょうか。復刊していただけたら心から嬉しく思います。 (2004/01/24)GOOD!1
読後レビュー
タイトル | 価格 | サイト |
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提婆達多(でーばだった) | 616円 | アマゾン |
NEWS
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2011/11/15
『提婆達多(でーばだった)』販売開始しました! -
2006/09/06
『提婆達多(でーばだった)』販売開始しました! -
2003/10/23
『提婆達多(でーばだった)』(中勘助)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
復刊リクエスト投票であなたの思いを形にしましょう!
小晶