長引く不況により、雇用情勢は悪化の一途をたどっている。ビジネスマンにとってはとてもつらい時代になった。
そのような中にあって、著者は自分を信じて前進し、目標を次々に達成した。この結果だけを見れば雲上の人物の自慢話だと誤解されかねない。
しかし、著者は決してスーパーマンではない。見渡せばすぐそばにでもいるような一般のビジネスマンである。
文脈からも、著者の温厚な人柄がひしひしと伝わってくる。他人を蹴落とすのでもなく、激しく自己主張することもない。人と人との関係のあり方について繊細な観察眼を持ち、自分と関わるすべての人から学び続ける謙虚な姿勢を堅持している。
私も、このように生きられたら無為の争いを避け、幸せな人生を送ることができるのではないか。そう思わずにはいられない。
もちろん、ビジネスである以上、様々な駆け引き、厳しい勝負ごとは当然起こり得る。
しかし、著者はその渦中にあって、どのような行動をとり、自己を成長させ、周囲の人を巻き込んでいったのか。
私は、この本からたいへん多くのヒントを得た。
淡々と綴られたその内容すべてが、転職や人間関係に悩んでいる人の心に染みわたり、明るい希望の光もたらしてくれるとこを私は確信している。
本書は武田英三氏唯一の著作であり、今後、極めて貴重な文献となることは間違いない。

第１章　自分の価値を高める
・人生を豊かにする道
・５度目の転職
・採用通知に関するトラブル
・米国本社での研修
・その他

第２章　天職への道
・生産性と年棒
・責任との関係
・日本型雇用の限界
・精神トレーニング
・ビジネスにおける精神的拠りどころ
・その他

第３章　人生のストラティジー
・ポジションが人を作る
・簿記が嫌いだった私
・英文レジュメの書き方
・組織依存型では生きられない
・その他