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チョウたちの時間

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あらすじから想像されるものと内容には少々ギャップがあります。上遠野氏の解説にもある通り、本書は一種の青春小説ととらえることも可能ですが、主に登場するのは少年少女ではなく、英語教師や原子物理学者などです。にもかかわらず、本書は青春の物語としての性格を備えています。そこにひとつの特異性を見ることもできるでしょう。時間粒子という独特のアイディアを核として、言葉で新たな現実を生み出そうとしたかのような、幻想的描写は見事です。少々絶望的でありながらも、温かな印象を残す物語でした。

2013/02/11