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日本の戦争 図解とデータ

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大日本帝国の戦争の経過が分かる本である。戦争の経過は、文章で読んだだけでは理解することは難しい。本につけられた付表・地形図だけでは、軍の動きがどこから始まってどこを経由し、どこをめざしたといった動きが分からないことが多い。文章に出てきた地名が、地形図に載っていないことすらある。地図帳で調べようにも南太平洋の島嶼などは細かい地名など載っていないこともあるし、島の周辺だけを切り取ったような地図はあっても、それが太平洋のどこにあるのか分かるような太平洋全図といった図も収録されていない。
そんなときに桑田他著「日本の戦争 図解とデータ」は、大いに役に立つ。部隊や艦隊の行動が一目瞭然となる戦況図が折込の形で入っているのが戦争の理解・研究に役に立つだろう。ただ、出版から時間が経っていることから、現在ではより考証が必要な部分もあるかも知れない。また、使われている記号が旧軍以来のものなのかも知れない。NATO様式でないことは、現在の読者には読図が難しくなっていることは否めないかも知れない。しかし、今現在よく売られているような戦史ものではうかがい知れないデータを読者に与えてくれることは間違いあるまい。

2011/03/11